バ ラ




バラ(薔薇)は、バラ科バラ属の総称である。         花 言葉は「愛」「美」「内気な恥ずかしさ」等。


 バ ラは、世界で最も愛され最も古 くから栽培されている花のひとつだろう。古代ローマやエジプトの祭りには莫大な量のバラの花びらが使われたという。日本でも万葉集に「うまら」という名で 詠まれている。15世 紀英国では紅バラ、白バラをそれぞれ紋章とする二家が王位継承を争ったバラ戦争がある。バラは美と平和の象徴、 そして時には戦いの象徴でもある。

 

 ブルガリアの高校生を案内したことが ある。その時バラの香水をもらった。それは、バラの香水はフランスだけでないことを、またバラはイングラン ドだけの国花ではないことを教えてくれた。広島でバラといえば先ずあげられるのは福山市のバラだろう。興味深い ことに福山の名の入った新品種「ローズふくやま」は佐伯町のバラ園で生まれた。昨年亡くなった原田東岷氏は平和 のために幅広い活動をした外科医であるが、バラの栽培でも知られていた。氏が育てた平和のバラ「ヒロシマ・チルドレン」と「ヒロシマ・アピール」もこのバ ラ園に縁が深い。

 

 6月 のある日、ここを訪ねた。「ヒロシマ・チルドレンはどこ?」と尋ねると「もう花は終わった。英国生まれだから暑さに 弱い」との答え。だがその場所に行ってみると、まだしっかりと咲いていた。二品種は原田氏によって国内外に贈られた。その名のとおりヒロシマの子供たちや 訴えが各地で花咲きますことを。
(文・ 恵南一子)