ハナショウブ ハナショウブ(花菖蒲、Iris
ensata var. ensata)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。 |
先日、英国人のお客様に「Japanese irisは日本語で何と言うのか?」とたずねら
れて、ちょっと困った。辞書ではJapanese irisは「アヤメ、カキツバタ」とある。日本庭園を紹介した英文に
はよくハナショウブがJapanese irisと訳されている。学名Iris japonicaはシャガのことだ。
学名
Irisの和名はアヤメ属。その中には多くの種類がある。それをひっくるめてアヤメと言っては「いずれアヤメかカキ
ツバタ」という言葉遊びも台無しになるではないか。その点、英語ではこの属の植物を総称してirisと呼ぶのだろ
う。日本語にはそれに相当する一語がない。説明的な「アヤメの仲間」という表現になってしまう。 広島
近辺で一番多く栽培されているアヤメの仲間をあげればハナショウブだろう。500種
以上の園芸品種があるいう。その原種は山野の日当たりの良い湿地や草原にはえて赤紫色の花を咲かせるノハナショウブ
ということだ。ノハナショウブもハナショウブも葉の真中の脈(主脈)がはっきり見えるという特徴があって、アヤメ、
カキツバタと区別できる。今の季節各地のハナショウブ園では、紫、青、白、絞り等種々の
色の花が楽しめる。雨にしっとりぬれた姿はことに美しい。 写真
は6/10日朝、縮景園で撮ったものです。この日広島は梅雨入り。私が写真を
撮る直前、園の人が咲きがらを摘んでまわられました。その人によると、縮景園の本
門を入って清風館へ行くまでの右手にある池の中やほとりのものは、すべてハナショウブで、園にはカキツバタはないそうです。アヤメは、被爆イチョウよりも
京橋川寄りのところにたくさんあります。
芸北の八幡高原には自生のカキツバタの群生地があったということです。昔のよう
な姿に蘇らせようとがんばっている人達がいることを畝崎雅子会員から3年近く前に
教えてもらいました。実は畝崎さんご夫婦もその活動の中心的存在なのです。私は何の労働力も提供していませんが、いちおう「カキツバタの里づくり」の会員
です。活動が始まって三度目の花の季節です。カキツバタについてはまたの機会に書きたいと 思っています。
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