ツバキ




ツバキ(椿、海柘榴)またはヤブツバキ(藪椿、学名: Camellia japonica)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹。照葉樹林の代表的な樹木。
花言葉は「理想の愛」「謙遜」


 ツバキは、気候が温暖な広島では11月から4月まで半年にわたって咲く。白・桃・紅・斑入り・絞り、八重咲き・一重咲き、大輪・小輪など多種多様。これらは、暖地に自生するヤブツバキ、日本海側のユキツバキ、中国のトウツバキなどの間で交配が行われた結果だという。園芸品種の豊富なことは、西洋のバラかランといったところだろう。バラやランには「オフェリア」とか「プリンセス・マサコ」などよく女性の名が付けられる。だがツバキには女性の名があまりない。日本では女性に花を捧げる習慣がなかったからだろうか。ちなみに縮景園や宮島で多く見られるのは紅い一重のヤブツバキ。

 

 江戸初期には、椿好きの将軍秀忠が、諸国のツバキの名花を江戸城に集めさせたことが江戸庶民の椿愛好熱を高めたという。元禄には多くの品種が生まれている。また、ツバキの一大ブームは19世紀前半のヨーロッパでも起こった。日本は鎖国中だったから、欧州へ渡ったのは中国からだった。そしてその頃「椿姫」も生まれた。

 

 第二次大戦後は米国や豪州でも優雅な新品種が作られ、日本に逆輸入されている。それでもカメリアは非常に東洋的な魅力をもつ花に思えるらしい。あいにく観光シーズンに花はほとんどないが、実がたくさんある。これを集めてもって帰られる人もある。残念ながら、発芽したとの知らせはまだ誰からもない。

(文・ 恵南一子)