壬生の花田植え English

 壬生の花田植は、201111月に世界無形文化遺産に登録されました。

 壬生の花田植は、広島県北広島町壬生地区で行われる農耕儀礼で、田の神に豊穣を祈るものです。毎年6月の第一日曜日に、他の田の田植えが終わった後に行われます。

 祭りの日、村人は10頭以上の牛を壬生神社へ連れて行きます。牛には、趣向を凝らして飾られた「花鞍」と呼ばれる美しい鞍や色とりどりの首飾りが施されます。花鞍は兜型や彫刻をした豪華なもので、金箔や漆塗りが施されています。鞍の総重量は、幟や造花を合わせ20〜30キロにもおよびます。


 花田植の起源は、豊作祈願の神事芸能とも農作業の苦痛を和らげる慰労芸能とも言われ、その歴史は少なくとも江戸時代より以前に遡ります。



 まず牛が土を攪拌しほぐす「代掻き」という作業が行われます。代掻きが終わると早乙女たちがサンバイの歌に合わせて苗を準備します。サンバイは、花田植全体の指揮をとる責任者で、田植歌や田楽に精通しています。「サンバイ」はまた、田の神の名前でもあります。代掻きと植え付けの準備が終わるとエブリツキと呼ばれる男性がエブリという道具を使って田をならし始めます。田の神はエブリに宿ると言われており、神のいるところで植え付けが始まります。

 サンバイに向かい合って、早乙女が一列になって後ろ向きに進みながら苗を植えていきます。サンバイは手にササラと呼ばれる竹を持って親歌を歌い、早乙女は子歌と呼ばれる別の歌を歌い継ぎます。エブリツキと苗船を運ぶ人が早乙女の後ろに位置し、田をならし、苗を配っていきます。囃しには大太鼓、小太鼓、手打
鉦・笛があります。田植えが終わるとエブリは逆さに立てられ、3把の苗が供えられます。田の神がこのエブリに宿っているとか田の神がここから天へ帰って行くのだとも言われています。

『花田植の雨知らず』といわれ、昔からこの日だけは、前日どんなに雨が降っても晴れるそうです。

出典;ウィキペディア(日本語のみ)
    北広島町HP
資料提供:北広島町教育委員会生涯学習課文化係