けん玉 English

 畳の清々しい香りをかぐと、落ち着いてゆったりした気分になります。その感触は硬過ぎず柔らか過ぎず、歩くによし、昼寝をするにもよしです。日本の伝統的な文化やスポーツは、畳なしには成り立ちません。茶道では、厳格な作法に従うことが求められますが、どこに座るべきか、茶道具をどこに置くべきかを、畳の目数をめやすに判断します。また、柔道は専用の畳の上で行われます。もし畳がなければ、これらは今のような形にはならなかったかもしれません。



 畳は、3つの部分から構成されています。
@ 畳表(たたみおもて)
 畳の表面を覆っているのが、いぐさを織った畳表です。1枚の畳表には4,000本以上のいぐさが使われています。古い英語に「いぐさの価値もない」という表現があり全く価値がないことを意味するようですが、日本では、いぐさは有用で優れた素材として使われてきました。いぐさは硬い表皮で覆われており、内側にはスポンジ状の繊維が詰まっています。このスポンジが、畳独特の感触を作り出すのに大きな役割を担っています。

A 畳床(たたみどこ)
 畳の芯の役割をしている畳床は、元来、稲わらでできています。厚さは約5.5cmです。稲わら製の畳床は、適度の硬さがあり通気性も良いのですが、最近ではインシュレーションボードやポリスチレンフォームのほうがよく使われています。その背景には、新素材は稲わらより軽くて運びやすく、また、稲刈りの機械化が進んだために稲わらが手に入りにくくなった、といった事情があるようです。

B 畳縁(たたみべり)
 畳床と畳表をつなぐために畳の端に付けられている布が、畳縁です。昔は官位や家柄によって色や柄が決められていました。畳縁を足で踏むのは行儀が悪いとみなされるのは、畳縁が社会的地位を示していたからでもあります。今では部屋のアクセントとして、好みの色柄が選ばれています。

 畳は、平安時代には、座る場所に敷くものとして、また寝具として貴族が使うものでした。室町時代、書院造りが広まるとともに、部屋全体に敷きつめられるようになりました。17世紀末頃になると一般の人々の間にも普及し、日常生活の一部となったのです。しかし、住生活の洋風化に伴い、最近建てられた家にはあまり和室がありません。畳表の生産高は、国産と輸入ものをあわせても、2004年から2009年までの間に約40%減少しました。畳の製造業者は、現代的な内装に合うように、畳縁のない畳や紙製の畳表などさまざまな種類の畳を作っています。時代の流れに対応しながら、畳はこれからも日本人の生活にとって掛け替えのない存在であり続けることでしょう。

《参考》
ウィキペディア 畳 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%B3
トラッドジャパン 20105月号 NHK出版
全国畳産業振興会HP http://www.tatami.in/
農林水産省HP http://www.maff.go.jp/j/tokei/sokuhou/syukaku_igusa_10/index.html