「仕込み」
舞妓や芸妓になるには、10歳から11歳(現在では、15歳から16歳くら
い)のころから置屋と呼ばれる家に住み込まなければならない。置屋では、彼女たちの養育やしつけの責任を負うのである。置屋のお使いや掃除、そして先輩舞妓の助手として働きながら、茶の湯、生け花、詠い、日舞、三味線など日本の伝統芸能を学ぶ。さらに、会話術を仕込まれ、地方の者は京ことばも習得することになる。この時期を「仕込み」
(訓練期間)という。
「舞妓」
1〜2年の「仕込み」期間を経て、必要な能力に達したと認められたものだけが、ようやく舞妓になれる。「仕込み」期間に習得した行儀作法や教養が、舞妓のあでやかな姿と融合して完璧な美を作り上げると言われている。舞妓のお披露目として「店出し」と呼ばれる特別なしきたりにのっとったあいさつ回りを行う。
「芸妓」
舞妓デビューから5〜6年経て、芸妓となる。「襟替え」という特別な儀式があり、この時に襟を赤から白へ替える。白は、成熟の象徴である。「襟替え」の儀式が終わると、芸妓は、置屋を出て独立し、自分の居を構えることになる。また、着物や化粧も舞妓時代とは異なったものになる。以前は、この時に旦那と呼ばれるパトロンがついた。
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