芸者文化

芸者は、京都では芸妓と呼ばれる。芸妓は、美しい着物を身に着け、特別な化粧を施して宴会場やお茶屋で日本の伝統的芸能を披露し、お客様をもてなすプロの芸人のことである。

舞妓や芸妓(芸者)になるには?

「仕込み

舞妓や芸妓になるには、10歳から11歳(現在では、15歳から16歳くら
い)のころから置屋と呼ばれる家に住み込まなければならない。置屋では、彼女たちの養育やしつけの責任を負うのである。置屋のお使いや掃除、そして先輩舞妓の助手として働きながら、茶の湯生け花詠い日舞三味線など日本の伝統芸能を学ぶ。さらに、会話術を仕込まれ、地方の者は京ことばも習得することになる。この時期を仕込み」
(訓練期間)という。


「舞妓」

12年の「仕込み」期間を経て、必要な能力に達したと認められたものだけが、ようやく舞妓になれる。「仕込み」期間に習得した行儀作法や教養が、舞妓のあでやかな姿と融合して完璧な美を作り上げると言われている。舞妓のお披露目として「店出し」と呼ばれる特別なしきたりにのっとったあいさつ回りを行う。

「芸妓」

舞妓デビューから56年経て、芸妓となる。「襟替え」という特別な儀式があり、この時に襟を赤から白へ替える。白は、成熟の象徴である。「襟替え」の儀式が終わると、芸妓は、置屋を出て独立し、自分の居を構えることになる。また、着物や化粧も舞妓時代とは異なったものになる。以前は、この時に旦那と呼ばれるパトロンがついた。

衣装:舞妓と芸妓の違い

着物:舞妓は、より鮮やかで袖の長い着物を着る。一方芸妓は、控えめな色の袖の短い着物を着る。

履物:舞妓は、「おぼこ」という底の厚い下駄を履く。芸妓は、平たい草履を履く。

参考文献

「今日の花街祇園」 文 杉田博明 写真 溝縁ひろし 淡交社